【腰痛】”理学療法士”が教える腰椎椎間板症と診断されたときに意識する3つのこと


この前、前にかがむと腰が痛くなるため病院にいったら
“腰椎椎間板症“と診断されました…
この痛みは良くなるのでしょうか?

“腰椎椎間板症“ですか、大丈夫ですよ。
大切なポイントもあるので今から説明していきますね。
こんにちは、腰痛専門blogマニアック腰痛(maniac_lbp)です。
普段は、理学療法士(リハビリ)として病院で外来勤務をしています。
本日は腰椎椎間板症と診断された時にどのような事を意識すればよいか説明します。
そもそも…
腰椎椎間板症ってなに??
腰椎椎間板症とは、腰痛の中でもレントゲン画像を撮ってもはっきりと
診断名をつけることができない腰痛の1つです。
それを非特異的腰痛と呼びます。
例)腰が痛くて病院を受診し、レントゲンを撮ったが骨には問題ありませんと
言われた。でも腰が痛い…なぜ??
こんな場面は皆さんも経験があるのではないかとおもいます。
このように、レントゲン画像にははっきりと原因が映らない腰痛のことを
非特異的腰痛と呼ぶのです。

むしろ、レントゲンやMRIなどではっきりと原因が
わかる事を特異的腰痛(椎間板ヘルニアなど)と呼ぶんだ。

ではなぜ腰椎椎間板症って診断がつくのですか??
これはどのような動きで痛みが出るのかが重要です。
特に前にかがむ動きで腰の痛みが強くなるものは椎間板に何かしらの原因があることが多いからです。
椎間板とは背骨と背骨の間にあるゲル状のもので、
主な働きは背骨にかかる荷重を均等に分散するクッション機能を持っています。

しかし…
- 加齢による水分量の減少(パサパサ・カピカピ)
- 前かがみで重たいものを繰り返し持つ
ことで椎間板に加わる負担が増えていき、やがて形が変形していきます。
そうするとクッション機能は低下して、神経の圧迫や炎症が生じることで
腰痛(腰椎椎間板症)を引き起こす可能性があります。

若いころは重たい荷物をかついでよく頑張ったなぁ…
歳もとって、もう良くならないんじゃないのか

まだ諦めないでください!
痛みを改善する3つのポイントがあるのでお教えしますね。
ポイントは…
- 長時間の同じ姿勢(不良姿勢)は避ける
- 継続した運動を行う
- ストレスなど気持ちのケアをする
① 長時間の座位や姿勢の影響
長い時間、同じ姿勢で座っている状態や不良姿勢と呼ばれる猫背は椎間板への負担を増加させ、痛みを悪化させる可能性があります。
立っている姿勢が椎間板に100%の圧がかかっているとすると
寝ている(仰向け)姿勢は25%
座っている姿勢は140%
中腰で荷物を持つような姿勢は275%も椎間板に圧がかかっているとされています。

275%も腰に負担がかかるんですか…
繰り返し中腰で荷物も持ち上げれば、それは痛めますね…
定期的に姿勢を変えたり、立ち上がってストレッチを
同じ姿勢で長くいると腰回りの筋肉も動かず、血流も循環不足になります。
血液の主な役割は酸素という栄養を運ぶことです。
血のめぐりが悪くなれば、筋肉などは栄養不足になり、やがて痛みとして現れます。
そうならないためには定期的に動き、同じ姿勢で長時間を避ける必要があります。
現場で働いていると、
・草取りを気づいたら半日やっていた。
・デスクワークに集中していたら3時間も動かなかった。
など多く聞かれます。
なので、タイマーなどで30分に1度は動かすように時間で区切るのがオススメです。
また、各企業によっては、椅子がバランスボールや昇降式のデスクを使うなど
さまざまな取り組みをしているところもあります。
そうやって社員の健康を守るのも会社の役割になってきています。

「キリのいいところまで」とせずに時間で区切りながら
立ち上がったり、背伸びをしたり、腰を回したり
とにかく動く!!今から実践しよう!
②運動の有効性
ギックリ腰の記事でも触れましたが、痛めてすぐの腰痛(急性期)では
運動の効果は低く、痛みが強くならない程度に日常の生活を送ることが大切です。
反対に長く続く腰痛(慢性期)の場合は、運動は高い有効性があると証明されており
積極的な運動が推奨されています。

運動にも色々と種類があるけど具体的に何をすればよいの?
研究報告では、適度な運動として
・体幹筋の強化(おすすめはピラティス)
・足の付け根を中心としたストレッチ
は症状の緩和に効果的と報告されています。
特にストレッチにおいては、松平浩先生(https://www.tmbackpain.com/doctor)
が提唱している。「これだけ体操」はまさに腰椎椎間板症の方にとって
とても効果的な運動になります。
https://jsite.mhlw.go.jp/saga-roudoukyoku/content/contents/000871949.pdf
簡単に言ってしまうと、前かがみの動作の後は「真逆」の動きをと入れることで
腰にかかる負担を軽減することができます。
ポイントは手は【お尻】に当てることです。
この手の運動では良く【腰】に手を置きがちですが、腰を押してしまうと
腰を反る方向に加わる力が強いために腰を痛めやすいです。
しかし【お尻】を押すことで股関節を伸ばす運動に代わるために
腰の負担なく腰周囲の運動が行えます。
・朝起きた後
・中腰での作業の後
・立ち上がって歩き出す前
上記の動作の前に「これだけ体操」運動を行うのがベストです。
③心理的要因との関連
慢性腰痛では、ストレスや不安、抑うつなどの心理的要因が痛みの持続に関与することが研究で報告されています。

最近の若い子はメンタルが弱いからのぉ
私もついついキツく当たってしまうからなぁ…
ストレスを受けると人間の体は常に緊張状態となりやすく、やがて筋肉がこわばり
血行不良となり痛みを引き起こすことがわかっています。
また、繰り返されるストレスから脳は痛みの処理にエラーが起こりやすく
痛くない痛みでも痛いと感じてしまうなど影響を受けます。
このようなネガティブさが腰痛の悪循環を招き長期の腰痛へと繋がってしまいます。
そのような痛みには認知行動療法と呼ばれる手法でのリハビリが行われます。
後日、説明しますが、簡単に言うとネガティブさがある中でも
なにかポジティブなことを見つけて自分を褒める。
例)痛みが強くて全然動けないけど、5分だけでも座ることができた。
今まで痛くて座れなかったのに!
など、ポジティブをどんどん見つけて自信に繋げていくことも
心理的な腰痛には効果的と言われています。

過度な「動くと悪化する」という恐怖がかえって回復を遅らせてしまう。適切な活動を維持することが重要なんだよ。
いかがだったでしょうか。
あまり聞き慣れない腰椎椎間板症。
腰椎椎間板ヘルニアはよく聞く人も多いと思いますが、
簡単に行ってしまうと、ヘルニアの前段階と認識してもいいと思います。
ですので、腰の痛みを放置しヘルニアまで悪化させてしまうと
最悪、手術になる危険性もあります。痛みなど感じるようでしたら
病院受診や、運動や体操、ストレッチなどまずは身近に始めることができるものからはじめてみませんか?
本日のおさらいをすると
- 長時間の同じ姿勢(不良姿勢)は避ける → 定期的に体を動かそう
- 継続した運動を行う → 「これだけ体操」など簡単なこと始めよう
- ストレスなど気持ちのケアをする → ネガティブよりポジティブに!
本日も記事を読んでいただきありがとうございました。
次は実際に腰椎椎間板症の診断でリハビリを行った方の【リアル臨床】を
お届けしたいと思います。